「新聞ヨム 社会ワカル 自分カワル」 事実と意見区分して〜越地NIE専門員委員記事〜「テレビの天気予報で、こんな場面がありました。冬の東北地方について、気象予報士が、『今日は6日ぶりの真冬並みの寒さになりそうです』(A)と言った後、『失礼しました』と断った上で『真冬日になりそうです』(B)と言い換えたのです。鍵は(A)の『真冬並み』です。寒い日であっても『真冬並み』と感じるかどうかは人によって異なりますから、『6日ぶり』と線引きすることはできません。一方、(B)の『真冬日』は最高気温が0度未満という基準があるため、線引きができます。(A)は個人の思いが入り込んだ意見(主観)、(B)は明確な証拠を示すことができる事実(客観)と言えます。日常の会話や文書では、両者の区別が曖昧になりがちです。
では、新聞は? 記事も、事実と意見が混存しています。きちんと根拠が示せる事実の部分はどこか、それに対する意見はどこの箇所かの見極めが大切です。その上で『私はこう思う』と自分に引きつけて考えることが、メディアリテラシー(情報を自ら読み解く力)の基本です。」と越地さんが記事で紹介された。この記事を読み、越地さんに電話した。すると、「たまたまテレビを見ていたら、このような気象予報士の解説場面があったので、目の前にあった白い紙にえんぴつで書き留めてまとめた記事だった。」と説明があった。メディアリテラシー(情報を自ら読み解き選択する力)の基本が簡潔にまとめてあり、すぐ教材化して生徒へ紹介した。また、越地さんの話しにあった「白い紙にえんぴつで書き留めた」の中に、我々の感性を磨く、自分の意見を磨く育成のヒントが含まれている気がする。マララさんの「一冊の本、一本の鉛筆、一人の教師」の言葉が思い浮かんだ