6月18日の熊日朝刊から夏目漱石「三四郎」が始まった。前回の「二百十日」は紹介だけに終わった。今回は、生徒へプリントして配付することにした。読む読まないは自由。ただし、前週に、今年1月に熊日朝刊で紹介された“はじまりの一冊”山藤章二(イラストレーター)さんの記事を配付した。
その記事には、「“読むたび新しい発見”、中学でいい先生と出会った。『きみたちはこれから多くの本を読む。その中に夏目漱石は必ず入れておきなさい』この一言は心に残った。あらためて読むたびに新しい面に気づく。最近の私の発見は『哲学』である。
人間とは、世の中とは、芸術とは。生涯を通じても捉えられない謎について、漱石は全作品を通じて語り教えてくれているのである。娯楽でありながら教養。感情でありながら哲学。批判でありながら話芸。こんなにもパーフェクトな作家は他にいない。今度は何を発見できるだろかと、ワクワクしながらページをめくるのである。」と述べられていた。
この記事を一緒に読みながら多少解説してみた。現在、15回を数えている。休日の今日、自主的に登校し数名の生徒たちが、明日受験するビジネス文書検定の練習をしているそばで、16回の「三四郎」を切り抜いている。この記事の中から、「エデュケーション」(教育)の語源である、ラテン語の「エヂュカチオ」、“引き出す”何か引き出しがあることを期待して、印刷室へ向かった。