「皇后盃全日本女子柔道選手権大会出場を目指す」
湯前町地域おこし協力隊として、1年を迎える安井佳奈さんに柔道競技への想いを聞いた。兵庫県西宮市出身。大阪府の星翔高校を卒業し、龍谷大学へ進学。大学時代に社会貢献と地域交流の一環として、湯前町に合宿で訪れた際「町民の方々の優しさと人間性に魅かれた」と卒業後の移住を決断。 普段は「地域おこし協力隊」として行政の仕事に携わる傍ら、指導者としてジュニア育成、また現役選手として週3日道場で汗を流す。強豪・星翔高校でインターハイ3位(団体)・龍谷大でも関西2位(個人)など実績十分。78キロ超級に属し、キレのある内股や払い腰が持ち味。高校3年のインターハイでは、団体戦の大将を任され、得意の内股でオール一本勝ちしベスト4入りの立役者となりメディアを騒がせた。当時、「気が弱い」と揶揄されていたというが「試合になるとスイッチが入るタイプなんですよ」とはにかんだ笑顔で取材に応える安井さん。指導にあたる湯前少年柔道クラブでも、良きお姉さんとしてみんなに慕われている。「子供達は吸収力が高く、技の呑みこみも早い」アドバイスを求められる機会も多く「上手く伝えるのにも工夫が必要」と話し、指導者としてのやりがいも強く感じているという。龍谷大OBで湯前少年柔道クラブ代表の藤岡教顕さんも「女性ならではの接し方や緻密さを持ち子供うけもいい」と目を細め、指導者としての能力の高さも評価した。
昨季、県大会を制し九州大会出場も全国には届かなかった。「環境も大きく変化し遠慮もあった」というが、今季については「もう立派な湯前町民です(笑)。しっかり練習し全国で湯前町をアピールしたい」と皇后盃全日本女子柔道選手権大会出場への意欲を燃やした。勿論「地域おこし協力隊」としての仕事も頑張りたいとし、「柔道で湯前町を元気にすることも私の仕事です」と力強く語った。遠く関西から湯前町に仲間入りした安井さん。「公」「私」ともに活躍を期待したい。