「明確な目標を持って稽古を」
剣道王国熊本。全国にそのレベルの高さを魅了する剣道界において、ひとりの中学生が注目を浴びている。幼少期より多良木円明館で競技を始め、現在多良木中剣道部で日々稽古に精進する那須敬志郎くん(二段)。
剣道一家に生まれ、祖父・父・兄の影響で竹刀を握った。特に兄の影響が大きいと話し「とにかく強くてカッコよかった。兄の様な剣士になりたい」と剣の道を選んだ。小学5年生で、学年別優勝するなど上達も早く中学1年生では、中体連個人戦で優勝し県中ベスト8。剣聖・宮本武蔵杯の全国大会ではベスト16に入るなど、中学剣道界で一躍脚光を浴びた。しかし、本人はいたって謙虚。「上には上がいる。まだ県のタイトルすら獲れてません(笑)」「もっと努力し、稽古を積まないと」と日本一へ向け調整中。”日本一になる”という明確な目標を持っていて、日々の生活面での意識も高い。『心・技・体』の”心”の部分を特に意識し、普段の生活態度や勉学・挨拶・礼儀に重きを置いている。とても中学生とは思えない礼儀正しさや、謙虚な姿勢が印象に残った。”日々の生活が日本一に繋がる。日々考えてきたことが大事なときに試合に出ると考え「私生活での正しい状況判断ができないと、コートでも正しい判断はできない」と話した。「今の段階では、技術も人間性でも日本一には程遠い」と自己分析し、「技術や体力はこれからの稽古で補える」とも話した。
日本一になるための準備を長いスパンで考えている那須くん。 「高校・大学・社会人のいずれかで日本一になれれば」と謙遜したが、そう遠くない将来、日本一の栄光が訪れるのではないだろうか。 稽古だけを頑張ればいいという甘い考えだけではなく、日々の行動全てを意識することで、剣道全体のスキルが上がるとの考えに大きな共感を得た。