平成29年熊本県高校総体陸上男子100メートル決勝で、多良木高校3年の三浦恵史さん(多良木町)が10秒81で制した。同校勢では32年ぶりの優勝。2018年度末で閉校を迎える同校・町民にとっても明るい話題となった。
中学から本格的に競技を始め、中学2年時に4×100Mリレーのメンバーとして九州大会6位入賞と、将来を期待されるスタートをきったが、中学3年時に左の腸腰筋を痛め1年間の療養を余儀なくされた。「焦りや不安もあったが、結果的に競技や身体のメンテナンスについて真剣に見つめ直す良いきっかけになった」と三浦さん。高校入学後は大きな故障もなく、着実にタイムを伸ばしている。「あの時期があったから今の自分がある」とプラスにとらえた。
県高校総体でも、予選から順調にタイムを上げ、決勝では自己新をマークし熊本県チャンピオンとなり周囲を驚かせた。レース展開については何も覚えていないと話し、「多良木の意地と誇りを胸に走りました」「感謝の思いしかない」と振り返った。関係者も「スタートの反応がいい選手。よくやってくれた」と同校32年振りの快挙を手放しで喜んだ。
インターハイでは思うような結果が出せずくやしい思いをしたが、「全国の舞台に立って勉強になったし今後のプラスになる」と前を向いた。「まだ終わった訳ではない。次の大会もあるし調子も悪くない」と話し、国体でのリベンジに向けインターハイ直後の、疲れも癒えぬ間の合宿に参加した。
閉校前に意地の走りで県の頂に登りつめた三浦さん。多良木高校歴史の幕にふさわしい大輪の花を
咲かせてくれるだろう。次のステージへ更なる飛躍と活躍を期待し、今後も注目していきたい。