熊日多良木・湯前販売センター(有)小出忠新聞店

前のページへ戻る

新聞記事を楽しむ40

~大雨と木々と絵本と親ヂカラ~

7月1日の団体戦、8日の個人戦と二週にかけて行われた、球磨郡民体育大会も終わり、ほっと一息している。外はまだ雨。庭の木々の下草もずいぶん伸び、草刈したいのだがこの雨では無理かなと断念することにした。しかしこの数日の大雨で、松、ヒメシャラ、ケヤキ、樫、クヌギ、ユズ、ブルベリー、モモ、ビワ、クルミの木々も大変だっただろうと思い、外に出て一本一本に「大丈夫だった」と話しかけてみた。

また、果実を食べにくる小鳥は大丈夫かなと思ったりして、家の中へ入り読書をすることにした。「逆境を乗り越え頑張っている子どもを描いた絵本作りを行う学生法人を設立する」との連絡を受けたばかりで、気になりテーブルに置いた1冊、「読んであげたい絵本」西郷竹彦著を手にした。そして、「絵本は文と絵から成り立つ世界で、文と絵がひびきあって創りだす世界が芸術的である。芸術的とは、イメージのまずしさ、ゆたかさと関わり、読者のなかに生み出されるもので、読者が文なり絵なりからどれだけの自分のイメージをふくらませることができるかということになる。

たとえば、『【大きなかぶ】には多くの人物が登場する。そしてみんなで力を合わせてかぶを抜く、協力するということではあるが、最後に小さなネズミが出てきて、その小さな力が、みんなの中に入ったときに、大きな役割をする。ネズミの、小さな存在、小さな役割がなければ、物事は成り立たない』とふくらますところに、大きな意味があると思う。絵本は、分かりやすい、おもしろいものであって、読者から豊かなイメージをさそいだし、ひきだすもので、発見の喜びがあるという点に、絵本の大事な役割があるのではないか」と思った。そんな絵本から、子どもがゆたかな心に思い描く力(イメージ力)を育てて行くには、絵本と向き合う親ヂカラが必要と思ったりした。絵本作りの学生法人は親ヂカラへの提起かもしれない。

このページの内容が掲載されたミニコミ誌はこちら

Copyright © 熊本日日新聞多良木・湯前販売センター(有)小出忠新聞店 All Rights Reserved.