~新聞記事から見出す練習を~
7月9日、「情報と社会」の課題、新聞記事「『アグネスチャンさん』独自の子育て論の関する新著が話題を呼ぶ」を読み、自らの気づきを述べた答案の返却を行った。大半が、記事の文中にあった、「『AIと張り合ってみても、情報処理能力ではかなわない。終身雇用が崩壊するかもしれないこれからの時代には『人間力』こそ大切だと思います』を引用して、私も人間力が大切だと思います」と書いていた。それではアグネスチャンさんの考える人間力とは何か。文中には「自尊心、自信、好奇心、責任感、立ち直る力を教えたかった」と述べられているが、みんなの考える人間力とは何か。問ってみたが意見は少なかった。
そこで、地元の文化人の語りを紹介した。湯前町下村で市房漬を興し麹文化を家庭に届けられた山北幸さんは、「食べ物を扱うということは、命を扱うということ。それは仕事であっても、家庭の台所であっても同じ。安心・安全な食べ物をと願うのは当たり前のこと」と語られている。また、同じ湯前町出身で、人吉市在住の画家、宮崎精一さんと親交の深かった画家、那須良輔さんは、「絵は理屈ではない。見れば分かるものである。絵に対していればその中味がじかに見る人の心に伝わってくる。それだけにウソいつわり、いい加減は許さない」と語られている。また晴耕雨読を実践された、水上村在住のトルストイ研究家の北御門二郎さんは、「以前、映画の題に『名もなく貧しく美しく』があったが、私もそんな人生を送りたい。本当の勉強をしてごらんなさい。この世の中で出世なんてしなくても生きていける。お金だって平均以下ぐらいでいい。勉強というのは楽しいこと」と語られている。お三方は、経験から見出された言葉、哲学でつづられている。アグネスチャンさんも、人間力について、深く見出された言葉が存在している。私たちも見出した言葉でつづりたい。そこには見出しの練習が必要。それが新聞記事の課題と結んだ。